現実

俺はここに戻ってきたわけだが現実を忘れちゃいない。
たとえ新しい生活が始まったとしても現実は理解している。
東京には夢があるが、ここにはそれはない。

今がせいぜい楽しむべき時だ。
すぐに夏が終わり、秋が来て冬が来る。
地獄の冬が…

一人暮らしの真冬は厳しい。
食料がなくなれば、必ず外に出なくてはならない。
凍った道を吹雪の中、歩かねばならない。
「俺はなぜここにいるのか」
自問自答しながら歩き続ける。

ようやくスーパーにたどり着き、食料を両手に抱えて帰路につく。
狭い住宅街の凍った道を歩く。
両手はふさがり、足元はおぼつかない。
その脇をマナーの悪い軽自動車が何台もすり抜けていく。
車内のやつらは暖かそうに好き勝手。

そんな状況に遭遇してみろ。
死にたくなるね。

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