全てを吐き出せ⑥

今日は論文の執筆に専念していたのだが、どうにもやる気が沸かない。
こんなものを書いたってどうしようもないのにな。

それでは久しぶりのシリーズ復活。

俺の出身高校の校長は「学問が人をつくるのだ」と説いていた。
この言葉はまさに正しいと最近感じる。
将軍様は人間的にも学術の面でもダメ。
学科内を見てみても、実績をあげている人はそれほど人間的に問題はない。

今日は学術面でのダメッぷりをこれでもかと見せ付けられた瞬間について書こうと思う。

俺は実験に「コメットアッセイ」を取り入れたかった。
これは遺伝子の損傷を検出する方法で、細胞をゲルに包埋して電気泳動の手法を使って遺伝子断片を撒き散らす。
遺伝子に損傷を受けていると断片が細胞から尾をひいているように見え、コメット(彗星)状になる。
これをやろうと資料をもって、後輩2人とともに教授に話をつけに行った。

もちろん事前の下準備はしっかりやっていった。
それがどういうものなのか、必要な試薬は何か、この手法を使っている論文などなど、できる範囲で調べた。

教授に資料を見せると、「これは知らないな~」
「は~、遺伝子……、遺伝子と言ったら○○(教授)だな…」
「○○のところに行って聞いてみるか」
ということになった。
方法はその資料中に全て書いてあるし、試薬は全てリスト化してあるし、問題になりそうな点も伝えたし、何でわざわざ○○のところに行ったのかも疑問ではある。
○○と将軍様の会話の中で、衝撃的な内容を聞くことになった。

将:「こんなのやってない?」
資料を渡す
○:「・・・、これはわからないな~、やったこと無いな」
○:「なるほど、電気泳動するの…」
将:「それはどこで出来るの? ここで出来るの?」
俺:唖然
○:「そんなのみんなやってるよ、どこでもやってるよ」
話にならないので俺と○○で話すことにした。
そこからは有意義な話だった。
俺が考えていた問題点について話し合った。
ここでまたもや衝撃的発言が出る。
○:「これは泳動槽が長いやつを使った方がいい」
将:「あぁ、カラムがね。」
○と俺は無視して話を続けた。
電気泳動の話をしているのであって、カラムの話などしていない。

簡単に説明しておくが、電気泳動は電気を流して物質を分離したりする手法。
DNAやタンパク質でよくやる。
DNAは表面がマイナスに荷電しているので、プラスの方向に流れる。
分子量が大きいものは遅く、小さいものは早く流れる。
つまり、短いDNAは遠くまで流れ、長いものはあまり流れない。
こうやって分離することで、特定のDNAを検出したりする。
カラムはクロマトグラフィに使われるもので、物質の特性によって分離することが出来る。
カラムの中に入っている重鎮剤によって、分子量や表面の荷電、親和性などの物質の特性を利用して分離する。
まぁ、詳しいことは自分で調べてくれ。

そんなわけで、将軍様は最近(いまさら)覚えた単語を使いたかったのか、こんな頓珍漢なことを発した。

ガッカリしたのはこれだけではない。
その数日後に研究室に残っている過去の卒論を読み漁っていると、その中にコメットアッセイを用いたものがあった。
なのに将軍様はコメットアッセイに関して御存知無い。
その当時から将軍様はやっぱり将軍様だったようだ。
学術的な指導能力は昔から無かったことがハッキリした。
その当時はドクターがいたから何とかなったのだろうが、卒論のチェックさえもしていないのではないか。
この十年、いったいあいつは何をしていたのだろうか。
将軍様を雇用し続ける大学の責任は極めて重大だ。

院生にとっては「大学=研究室」
研究室の教授がクソであるならば、大学もクソなのである。
卒業式後にパーティーがあるのだが、たぶん参加しないだろう。
修了証書をもらったらこんな大学に用は無いので。

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